特に、里帰り出産をされた方は必見です!!
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娘がNICUのお世話になりました。一体いくら掛かるの?
小さく生まれた赤ちゃんや、早産の赤ちゃんがお世話になるNICU。
経緯は長くなるので、本ページの最下段にて口述しますが、在胎週数39週6日、出生体重3,500gでもNICUに入院することがあるんです。私ササミは妊娠経過は良好だったのでどこか他人事だったのですが、娘がお世話になり、ホント無事に出産するということは当たり前ではないなと思いました。
NICUではたくさんの看護師さんがつきっきりでお世話をしてくださっていました。最新の設備に、大勢のプロ。素晴らしい環境です。そこでよぎった疑問が、「これ、ものすごい費用がかかるんじゃ…?」でした。もちろん、100万円を超えようが借金してでも払いますよ。すると、娘の退院の日が近づいたある日、病院側から1つの封筒がササミに渡されました。
それは…。「未熟児養育医療費の助成手続きのご案内」。というわけで、今回はその手続きについて書こうと思います。いろいろ大変なのですが(しかも里帰り中なので手続きはすべて夫)、お役所と病院にちょっと電話確認するだけで、申請の手間と時間を大幅に減らすことができたんです。特に2年以内に引っ越しした人は必見!
未熟児養育医療費の助成対象者は?
対象となる症状は?
まず、助成の対象者となる症状についてです。自治体によって多少異なりますので、ササミの住む市について調べてみました。
次のいずれかの状態で生まれ、入院による養育が必要な未熟児
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娘はe.呼吸不全に該当したようです。
そもそも、市の制度なの?
未熟児の医療費のうち自己負担で払わなくてはならない分を、国と県と市で負担して下さいます。国と県と市なので書類が複雑そうですが、申請窓口は市のみでOKです。市の保健所が窓口のことが多いようですよ(夫に頼む場合は、保健所なのか市役所なのか間違えないように伝えてくださいね)。助成の条件は市によって異なりますが、制度そのものは国の制度なので、里帰り出産のように、県外の病院で出産した場合も対象です(ホッ)。
必要な書類は?
市によって少し異なります(特に所得を証明する書類)が、ササミの住む市では下記のとおりです。ササミの場合、娘が入院していた病院がわざわざ申請書類を取り寄せてくださったので、実家にいながらどんな書類が必要なのかをじっくり確認することが出来ました。
用意する書類が多いのが難儀ですが、お金を一旦立替える必要がないので、二度手間にならないよう書類漏れがないようにさえ気を付ければ簡単です。
窓口で申請者が記入する書類
保健所の申請窓口でもらえるのでですので事前に用意する必要はありません。取り寄せれば事前に記入することもできます。
(我が家の場合は前述の通り、既に病院の事務担当の方が退院時に受け取っておりました。)
養育医療給付申請書、所得・税額調査同意書、扶養親族調書、委任状 |
添付する書類(=自分で用意する書類)
書類 | 備考 | ポイント | |
1.養育医療意見書 | ー | 病院で発行してもらいます | |
2.世帯全員分の所得税額の証明
夫だけでなく、妻の分も忘れないで! |
会社勤めなら、源泉徴収票(年末調整済)でOKです。
ただし、確定申告をしている人は源泉徴収票ではなく、確定申告書の写(税務署の捺印要)になります。(ふるさと納税、副業、株の損失…etc.) |
●1月~6月に申請する場合⇒前々年分のもの。
●7月~12月に申請する場合⇒前年分のもの 過去2年以内に市外から引越ししてきた人は、次の3.も要チェック |
申請するタイミング(※)で、対象期間が異なってきます。
(※赤ちゃんの誕生日ではありません) |
3.(該当者のみ)前住所地の市町村民税 所得・税額証明書 | 転勤族や、結婚を機に市外から転入してきた人は要注意。夫婦の片方のみ該当する場合もありますよ。 | ●1月~6月に申請する場合⇒前年1月1日に当市に住民票がなかった人 ●7月~12月に申請する場合⇒当年1月1日に当市に住民票がなかった人 |
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4.赤ちゃんの健康保険証 | 健康保険証を手に入れるには、前もって夫が勤務先で赤ちゃんの扶養手続きを済ませておく必要があります。 | ||
5.印鑑 | |||
6.マイナンバー個人番号 ・赤ちゃんと扶養義務者の個人番号カードまたは通知カード |
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7.窓口に行く親の本人確認できるもの | |||
8.子ども医療費助成の申請 |
(赤ちゃんは夫の扶養に入るという前提で書いています)
我が家は面倒なケースに見事にはまりました。
- ★上記2.★ 娘は6月上旬に退院のため、なんとも微妙なタイミング。急いで6月中に申請するか7月にずれ込むかで、所得証明の対象期間が異なります。
- ★上記3.★ 前年に関西から九州へ転入したばかり…。6月中に申請すると、関西時代の所得証明書が夫婦2名分必要になります。
- ★そ し て ★申請をするのは九州の自宅にいる夫(平日の仕事の合間を縫って保健所と市役所へ)
この、「書類を揃える難易度ミツボシ★★★」に該当したササミ家が、工夫して乗り切った方法を以下、お伝えします。
里帰り出産した転勤族が、スムーズに 出生手続き~未熟児養育医療費の助成の申請をする方法
STEP1: 出生届 @市役所
期限は、出生から14日以内。
必要なものは、
- 出生証明書(出生届に医師が記入する箇所がある)
- 母子手帳(届け出時に役所が記入する箇所がある)
- 印鑑
現住所、もしくは、里帰り出産した妻の実家の市のどちらで申請してもOKです。
我が家は現住所(九州)ではなく、私の実家の市で出生届を出しました。
里帰り先で出生届を出すメリット
上記の通り、出生届には母子手帳が必要です。赤ちゃんが入院している病院でも母子手帳が必要です。現住所で出生届でを出す場合、母子手帳を病院から持ち出さねばならず、名古屋⇒九州の距離だと数日間も病院に母子手帳がない状態になってしまいます。
里帰り先で出生届を出すデメリット
現住所で申請すると、児童手当の申請も一度にできるので、市役所へ足を運ぶ回数が1回減ります。役所の方も慣れているので、出生届を出したらその場で次の申請(児童手当申請など)の部署へ案内してくれます。
我が家は里帰り先の市で出生届を出したときに、夫は窓口の人に「九州でまた児童手当申請等をしに役所へ行かないといけないから、ここでは辞めておかれたほうが。」と止められたそうです^^;理由を説明して受理してもらいましたが。
STEP2:児童手当申請 @市役所
期限は、出生から15日以内 or 出生月の月末 のどちらか遅い方
必要なものは、
- 印鑑
- 父の口座が分かるもの
- 父の健康保険証
- 父のマイナンバー通知カード
- 母のマイナンバー通知カード
現住所(九州)でのみ申請できます。
STEP3: 健康保険証の申請 @夫の勤務先等
STEP2と並行して行います。期限は、勤務先により異なりますが、とにかく早く健康保険証を手に入れないと、STEP4以降の手続きが出来ません。そして、赤ちゃんが夫の扶養に入る場合、この手続きは夫にしかできません。よって、健康保険証の申請までがスムーズにできるか、がこの一連の手続きのキモになります。
STEP4:子ども医療費助成 @市役所
赤ちゃんの健康保険証が出来上がったら、子ども医療費助成の手続きを行います。
必要なもの
- 赤ちゃんの健康保険証
- 印鑑
- 父or母の口座が分かるもの
- 父のマイナンバー通知カード
- 母のマイナンバー通知カード
申請後、自宅に「子ども医療費助成の受給券」が手に入ります。
期限の目安は、1か月検診より前、です。そして、「子ども医療費助成の受給券」の到着をもって、やっと未熟児養育医療費の助成の申請にとりかかることが出来ます。
STEP5:未熟児養育医療費の助成手続き @保健所
期限:病院から指示されます。
必要なもの(市によって若干異なります)
- 養育医療意見書
- 世帯全員分の所得税額の証明
- (該当者のみ)前住所地の市町村民税 所得・税額証明書
- 赤ちゃんの健康保険証(STEP3で入手)
- 印鑑
- マイナンバー個人番号(父、母、赤ちゃん)
- 窓口に行く人(夫)の本人確認書類(夫の運転免許証等)
- 子ども医療費助成の受給券(STEP4で入手)
先述の通り、このb.世帯全員分の所得税額の証明というのがやっかいです。
サラリーマン夫婦世帯であれば夫婦それぞれの源泉徴収票になるのですが…。
申請する月が1~6月の場合は、前々年の源泉徴収票、
申請する月が7~12月の場合は、前年の源泉徴収票です。
(7月~12月に申請する人は、以下は飛ばして、STEP6へ進んでください)
さて、ここで大変なのが、1~6月に申請する場合。
前年・前々年の納税場所が、現住所(九州)ではない場合、「前住所地の市町村民税 所得・税額証明書」が必要になります。たとえば、我が家は2016年6月に申請することになるのですが、九州に引っ越してきたのは2015年春。納税は1月1日時点の住所地で決まるので、
- 2015年1月1日 …前住所(関西)
- 2015年春 …現住所(九州)へ転入
- 2016年6月 …申請
6月に申請するので前々年の納税=前住所(関西)での市町村民税 所得・税額証明書」が必要になってしまうのです。そしてこの書類は、自分で前住所(関西)から取り寄せなくてはなりません…。郵送で取り寄せるには、所定のフォームに記入し、本人確認書類のコピーを添付して、返送表封筒も用意して…(これが夫婦2名分)。あわわ、この作業を実家(名古屋)から行うのはツライ。
そこで、ふと思いつき、保健所に電話で問い合わせてみました。
質問「申請が6月ではなく、7月に入ってから申請すれば、前年の源泉徴収票で大丈夫、ということでしょうか?」
答え「その通り。生まれ月に関係なく、申請が6月か、7月か、で変わってきます。6月末に提出される場合、「7月扱いにしてください」と窓口で言っていただければ、7月1日になったら優先して手続きを進めますよ。」
なるほど。では、7月に申請すればよいのか。しかし、病院からは6月中に申請してくださいと言われている…。そこで…病院に問い合わせてみました。
質問「あの…6月中に申請しなくてはいけないとは思うのですが、かくかくしかじかの理由で、前住所からも所得証明を取り寄せなくてはならず、それに1週間以上かかるので、結局申請が6月末ギリギリになってしまいそうです。(病院へ問い合わせたのは6月中旬。)7月に入ってすぐの申請でもOK、ということにしていただけると、大変助かるのですが…。」
病院「まぁ…そういう事情なら、良いですよ。かならず7月に入ったらすぐに申請してくださいね。」
やったー!交渉成功!
と、いうわけで、夫に必要書類を伝え、6月末に「7月受理扱いにしてください。急いていますので、7月になったらすぐにお手続きを進めて頂きますようお願いします」と一言添えてもらい、無事一連の任務は終了しました。
なお、我が家は夫がガンガンふるさと納税をしていて確定申告をしていたので、夫は前年の確定申告の写、私は前年の源泉徴収票を提出しました。
- 未熟児養育医療費の助成手続きをしなければならない状況になって
- 遠い実家へ里帰り出産をしていて、
- 申請月が6月で、
- 2年以内に引っ越しをしていて、
- 確定申告をしている人
などめったにいないと思うのですが、多くのトラップ(笑)もたった2本の電話で易々と突破できました。
手続きの量に呆然としている産後ママは、是非旦那様にお願いし、そして分かりやすく説明して、夫婦で乗り切ってください。払ってもらえるお金のことを考えれば、手続きなんぞ朝飯前、という気持ちで行きましょう♪
STEP6:妊婦検診償還払 @保健所
出生手続きの一連の流れとは少し種類が異なるのですが…。里帰り出産をしたままの場合、最後の数回の妊婦検診は実家そばの病院へ行ったと思うので、その時の健診料は自己負担していると思います。これも、後日、手続きをすることで、「現住所で残っている健診券の分」を返金してもらえますよ。実家から、赤ちゃんと現住所へ戻ってきてからでよいので、忘れずに申請しましょう。
期限:1年以内
必要なもの(市によって多少異なります)
- 健診票の残り
- 領収書&明細書
- 母子手帳
- 口座が分かるもの(通帳やキャッシュカード)
- 印鑑
(おまけ)NICUに入院することになったワケ
私ササミは、妊娠中は幸いなことにつわりも無く(祖母も母も無かったそうなので、遺伝??)、体調不良も妊娠後期の貧血と息切れ程度でした。お腹の胎児も順調(だいぶ大き目)に育ち…。実家に里帰りして、出産予定日前日の39週6日目に陣痛が来ていざ出産。
ササミは体が小さいので、大きな赤ちゃんを産むのにかなり時間がかかったのですが、産院の皆様のおかげで無事に約3,500gの元気な赤ちゃんを産むことが出来ました。
そう…無事、だと思ったんです。
分娩台の上で休憩していたら、先生と助産師さんが「ちょっと赤ちゃんの呼吸回数が多いので、小児科の先生を呼んできますね」と仰り、駆け付けた小児科の先生から夫が何やら説明を受けています。出産直後のボーっとした頭と体に聞こえてきた言葉は…「肺に少し水が溜まっているので、大事を取って大きい病院のNICUに転送しますね。」。
え?「肺に水」って相当深刻では?と思ったら、そもそも胎児の肺は水で満たされていて、出生の瞬間に肺呼吸になると同時に水が抜けるらしいのですが、娘は全部は抜けきらなかったから呼吸数が多かったそうです。誰のせいでもなく、時々ある不可避なケースだそうで、特に障害も残らず、「ちょっと酸素を当てればすぐ何ともなくなる」程度だそう。すぐに気づいてくださった助産師さんに感謝です。
というわけで、母子別々の病院での入院生活が始まりました。
「赤ちゃんと別の病院だから母はゆっくり体力回復に専念できちゃう?」とか「出産直後に傍にいてお世話してあげられないなんてなんてダメな母親」等思う暇はありませんでした(笑)。なぜなら、出産翌日から、洋服を着て、日焼け防止のためにメイクをし(産後はシミができやすい)、車の後部座席に円座クッションを敷いて揺れに耐えながら、NICUへ搾乳した母乳をもって面会に行く1週間。1週間で済んだのは良かったんですけどね。NICUのある総合病院は広いから、病院の駐車場までは車で行けたとしても、そこから病室までが遠い遠い(しかも建物は改修工事中)。出産翌日からガタガタの骨盤で歩き回ったツケは、二か月後にドーンと来て、結局整体に通う羽目になりました^^;
NICUには本当に小さくてかわいい赤ちゃん達が入院していて、娘を入院させてもらっていることが申し訳ないくらいでした(だって、大きいから、泣き声もひときわ目立つし、よく飲むし…、じたばたしてるし…)。
3日後に保育器から出てきた娘。キミも病院のスタッフの皆さんも、そしてちょっとだけ夫と私も頑張った。そして、庶民でも手厚い医療を受けることが出来る日本の医療制度に感謝です。